扇子の製造工程に迫ってみました!<その1>

うちわ工房において、とりわけ高級感がある扇子。
特に弊社で取り扱っている扇子は一本一本手張り手加工で作られていることもあってその風合いは他社を凌ぐ自信があります。
そんな扇子ですが、骨についても非常に多岐にわたる工程を経て作られています。
これもほぼ全て手作業で行われているものですが、今回はその工程の一部をご紹介していきたいと思います。

□胴切

扇子の骨を作る工程としてまずは竹の棒を加工に適したサイズに切る作業を行います。
これを「胴切(どうぎり)」と呼びます。
この作業の際に、節も合わせて取り除いておくため、基本的な部分を成す非常に重要な工程です。

□割竹

胴切の工程で切りそろえた竹を今度は扇子のサイズに割っていきます。
この作業を「割竹(わりたけ)」と呼びます。
丸い筒状だった竹はこの時点で平たい形状に加工され、次の工程に進みます。

□せん引き

割竹を経た竹は、まずアク抜きを行い、そのあとで「せん引き」と呼ばれる作業を行います。
せん引きとは、竹材を扇子に用いるにあたって必要な部分まで削ぎ落とす工程のことを指し、ここで表皮、外側、内側部分といった形に選別されます。
ちなみに扇子に使用されるのはこの外側の部分です。

□目もみ

竹材に要(軸の部分)を通すための穴を開ける工程を「目もみ」と呼びます。
少しでもズレが生じてしまうとうまく開かず見栄えが悪くなってしまうため、繊細さが要求される作業です。
これぞ職人技!という感じがしますね。

□あてつけ

目もみで開けた複数の竹材の穴に串を通し、固定させた状態で扇の形に削っていく作業が「あてつけ」です。
この作業も固定させた複数の竹材をズレなく均一に手で削っていく必要があるため職人の腕の見せ所。
徐々に扇子の形に近づいてきています。
と、字数の都合で続きはまた次回とさせていただきますが、この時点でもすでに様々な工程を経ておりその複雑さに驚かされてしまいます。
このあとは一体どのような加工が待ち受けているのでしょうか。(次回へ続く)