扇子の製造工程に迫ってみました<その3>

数週にわたって扇子の製造工程をご紹介しておりますが、いざ取り上げてみるとその工程の多さにはただただ驚かされるばかりです。
前回までは骨の加工についてご紹介していきましたが、今回からはいよいよ紙の加工の工程に移ります。

□合わせ

一般的に扇子に用いる紙は和紙ですが、その和紙を扇子に取り付けるにあたっての下準備とも言える工程がこの「合わせ」です。
薄い和紙を三枚貼り合わせることによって骨を差し込めるようにします。

□乾燥

「合わせ」の工程で貼り合わせた紙を乾燥させます。
これまでの工程の中では最もシンプルな工程と言えるのではないでしょうか。
とはいえ、仕上がりに関わる重要な部分になるため油断は禁物です。

□裁断

貼り合わせた紙がしっかり乾いたところで裁断を行います。
裁断された紙は扇状になり、いよいよ扇子本来の姿に近づきます。

□絵付け

扇状になった和紙には、その用途やテーマなどに応じて様々な絵付けが施されます。
職人がひとつひとつ手書きで絵付けをし、箔押しなどの装飾を行うなど、扇子一本一本に命を吹き込む大事な工程です。

ちなみにここでご紹介しているものは手作りにおける工程であり、うちわ工房では基本的に断裁前にオフセット印刷機を用いて絵付けを行います。


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今回はここまでとなります。
扇子の絵柄が決まったところで次はいよいよ紙と骨をつなげる工程に移ります。
こちらについてはまた次回ご紹介させていただきます。
長丁場ですが引き続きお付き合いいただければ幸いです。